1人の方が亡くなった後、遺族が行わなければならない手続きは、細かい手続きも含めると数十個~100個以上にのぼります。

また、これらの手続きの中には、法律により厳密に期限が決められている手続きもあります。

ここでは、代表的な相続手続きを取り上げ、相続手続きをいつまでに行わなければならないか、相続手続きの期限についてご説明します。

遺産分割協議には期限はありません。しかし・・・

実は、相続人の話し合いで遺産の分け方を決める遺産分割協議には、法律で決められた期限はありません。

しかし、だからといって遺産分割協議をしないまま時が過ぎると、相続人の数の増加、認知症の相続人の発生など、さまざまなデメリットがあります。
(遺産分割協議を放置した場合のデメリットについては、相続手続きを放置したらどうなるか?をご覧ください)

早めに着手していれば起こらなかったはずのトラブルや争いが発生しないように、遺産分割協議は放置せずに早めに行うことをおすすめします。

相続不動産の名義変更(相続登記)が義務化されました

相続登記とは、亡くなった方の名義になっている不動産を、引き継いだ相続人等の名義に変更することです。

2024年4月以降、相続によって不動産を取得した相続人は、その所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請をしなければならないこととされました。

これまで相続登記が義務化されていなかったため、所有者が分からない不動産や空き地・空き家が増えてしまい、大きな社会問題になっています。

個人の問題としても、相続登記を放置することは、

  • 相続人の数の増加による遺産分割協議の難航
  • 相続登記を行っていないとその不動産を売却できない
  • 亡くなった方や相続人の債権者による差し押さえ

などのトラブルにつながります。

遺産分割協議とともに、相続登記も早めに行うようにしましょう。

期限のある相続手続き(主なもの)(早い順)

相続開始から7日以内 死亡届

被相続人が死亡して相続が開始すると、死亡地、本籍地、住所地のいずれかの市区町村役場に、7日以内に死亡届を提出します。

死亡届を提出する時は、死亡診断書(または死体検案書)が必要です。

また、死亡届と同時に死体火葬許可証を申請します(火葬する際に必要です)

相続開始から14日以内 住民票・年金・健康保険・介護保険関係の手続

主な住民票・年金・健康保険・介護保険関係の手続は、死亡から14日以内が期限になっているものが多いです。

  • 世帯変更届
  • 年金受給者死亡届
  • 国民健康保険資格喪失届
  • 介護保険資格喪失届

相続開始を知った時から3か月以内 相続放棄(限定承認)の申述

被相続人に負債がある場合には、相続放棄(または、プラスの遺産の範囲内で負債の返済義務を負う限定承認)を検討します。

相続放棄(限定承認)は、相続開始を知ったときから3か月以内に、家庭裁判所に対して申述します。

ちなみに、単純承認(プラスの財産もマイナスの財産も相続する)する場合は、何の手続きも必要ありません。

このように相続放棄(限定承認)には期限が決められていますので、相続が開始したら速やかに相続財産調査を行いましょう。

相続財産の内容がはっきりしないと、単純承認すべきか、相続放棄(限定承認)すべきかの判断ができません。

以下のページも参考にしてください。

相続財産調査・財産目録作成代行サービス
借金・債務の調査(信用情報開示請求)代行サービス
相続財産(遺産)には、どういうものが含まれるのか?
マイナスの財産(債務・借金)も相続財産になります

相続開始から4か月以内 準確定申告

通常の所得税の確定申告は、1月から12月の1年間について、翌年の3月15日までに行いますが、被相続人が年度途中で死亡した場合は、年初~死亡した日までに所得があった場合でも、本人は申告できません。

そこで、相続人が、被相続人の代わりに、年初~死亡した日までの所得について、申告・納税を行うのが準確定申告です。

準確定申告は、被相続人が個人事業主だった場合など、個人として所得がある方が対象になります。

相続開始から10か月以内 相続税の申告・納税

相続税は、すべての方が納めるわけではありません。

相続税の申告が必要な場合(申告すれば相続税が0円になる方を含む)は相続全体の約15%、実際に相続税を納めなければならない場合は、相続全体の約8%程度という統計が出ています。

相続税がかかるかどうかの目安は、相続財産の合計額が、相続税の基礎控除額を超えるかどうかで判断できます。

相続税の基礎控除額の計算式は、3000万円+(法定相続人の数×600万円)になります。

たとえば、法定相続人が、被相続人の配偶者、長男、長女の3名だとすると、
3000万円+(3名×600万円)=4800万円が基礎控除額になります。

また、相続財産の合計額が基礎控除額を超えて、相続税が課税される可能性のある場合でも、税額軽減の特例が活用できる場合もあります。

相続税が課税されるかどうか、また、税額減額の特例が使えるかどうかについては、相続税の専門家である税理士に相談して判断します。

当センターでも、必要に応じて、税理士の紹介をしています。

相続開始から10か月以内が相続税の申告・納税期限というのは、意外と早いものです。

多くの方は、49日の法要が済んだ頃から相続手続きについて考え始めますが、この時点ですでに1ヶ月半が過ぎています。

相続人を戸籍で調査・確定し、相続財産をリストアップして、その評価額を調べ、相続人全員で遺産分割協議をまとめるとなると、10ヶ月はあっという間です。

とくに、相続税が課税される方で、相続した不動産を売却して納税額を調達する場合には、売却自体も相続税の申告・納税期限までに終えていなければいけません。

相続税が課税されそうな場合には、当センターのような専門家のサービスを活用し、早めに相続手続きに進めましょう。

相続開始から1年以内 遺留分侵害額請求の時効期限

被相続人に遺言書があり、相続人の中に遺留分を侵害された方がいる場合には、遺留分侵害額請求が問題になります。

遺留分侵害額請求とは、遺言書により相続人の中に遺留分を侵害された方がいる場合に、遺留分までの金額を請求できる制度です。

遺留分がある法定相続人は、被相続人の配偶者・子などの直系卑属・父母などの直系尊属です。

被相続人の兄弟姉妹には、遺留分はありません。

遺留分侵害額請求には期限が定められており、「相続の開始」と「遺留分を侵害する贈与や遺贈があったこと」を知った時から1年以内に行使しなければ時効によって消滅してしまいます。

相続開始から2年以内:健康保険関係の各給付の請求期限

被相続人が、健康保険や国民健康保険に加入していたときは、葬祭費・埋葬費が支給されます。

また、被相続人の医療費が高額になったときには、高額療養費として、医療費の還付を受けることができます。

いずれも請求期限は、相続開始から2年以内となっています。

相続開始から3年以内 死亡保険金の請求期限

被相続人が死亡した時に支払われる生命保険の死亡保険金は、被保険者の相続開始から3年以内に請求を行う必要があります。

まず、保険会社に連絡をして、被保険者が死亡した旨を告げ、申請書類を送ってもらいましょう。

申請書類には、保険証券、医師の診断書などを添付して提出します。

相続開始から5年以内 遺族年金の裁定請求期限

被相続人が、国民年金・厚生年金に加入していた場合で、一定の条件に当てはまる場合に、遺族に遺族年金が支給されます。

遺族年金の裁定請求期限は、法律で5年以内と決められています。

まとめ 相続手続きは、期限を知った上で、早めに着手を

このように、相続手続きには期限があるものがあります。

期限を過ぎてしまえば、受け取れるはずのものが受け取れなかったり、相続税のように遅れるとペナルティのある手続きもあります。

また、遺産分割協議には期限はありませんが、それを行わなければ、不動産や預貯金の手続きが一切できません。

当センターでは、資料請求していただいた方に、「相続手続き全120個のチェックリスト」を無料で配布しています。

このリストには、各相続手続きの期限や、手続きを行う場所をなどを記載しています。

このリストを活用し、相続手続きの全体像を把握し、早め早めに手続きに着手するようにしてください。

 

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