誰がどのくらいの割合を相続できるのか?(法定相続分とは?)

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法定相続分(ほうていそうぞくぶん)とは、亡くなった方(被相続人といいます)の遺産を相続する際に、各法定相続人の取り分として、民法という法律により定められた割合をいいます。

被相続人が遺言書を残していた場合は、原則として、遺言書の指示通りに遺産を分配することになるため、相続人全員での話し合い(遺産分割協議)は行われません。

一方で、被相続人に遺言書がない場合には、遺産分割協議によって遺産の分配方法が決められることになります。

法定相続分は、遺産分割協議の際に、遺産の分配方法の基準となるものです。

法定相続分があるのは法定相続人のみ

法定相続分を主張できるのは、法定相続人のみになります。

法定相続人についてはこちらをご確認ください。

法定相続人以外の者が、法定相続分を持ち、自己の権利を主張できるのは、包括受遺者(遺言で「遺産の○分の○を遺贈する」と指定された方)や、相続分譲渡により法定相続人により相続分を譲り受けた方の場合など、例外的なケースのみです。

配偶者の法定相続分

配偶者は必ず法定相続人となります。

配偶者の法定相続分に婚姻期間の長さによる差はありません。たとえば、婚姻期間が1日であっても50年であっても、法定相続分の割合は同じです。

ただし、法定相続分を持つのは、戸籍上の配偶者に限られます。事実婚・内縁関係の配偶者の場合には法定相続人とはならず、したがって、法定相続分もありません。

配偶者の法定相続分は以下の表の通りです。

相続人 配偶者の法定相続分
配偶者のみの場合 すべて
配偶者と第1順位の法定相続人がいる場合 遺産の1/2
配偶者と第2順位の法定相続人がいる場合 遺産の2/3
配偶者と第3順位の法定相続人がいる場合 遺産の3/4

第1順位(子や孫など)法定相続人の法定相続分

血族相続人のうち第1順位は被相続人の子になります(養子、被相続人が認知した子、胎児(誕生した場合)も含みます)。

子が、被相続人の死亡時点で亡くなっている場合には、死亡した子の子(孫)が第1順位の相続人となります(代襲相続人)。

第1順位の相続人の法定相続分は以下の表の通りです。

相続人 第1順位相続人の法定相続分
第1順位の法定相続人のみの場合 すべて
配偶者と第1順位の法定相続人がいる場合 遺産の1/2

※第1順位の相続人が複数いる場合は均等に分割

第2順位(父母や祖父母など)の法定相続人の法定相続分

血族相続人のうち第2順位は被相続人の父母になります。

実父母だけでなく養親も含みますので、全員が健在の場合4人が法定相続人になります。

父母と祖父母がともに健在の場合には、被相続人に直近の世代(父母の代)だけが法定相続人になります。

第2順位の相続人の法定相続分は以下の表の通りです。

相続人 第2順位相続人の法定相続分
第2順位の法定相続人のみの場合 すべて
配偶者と第2順位の法定相続人がいる場合 遺産の1/3

※第2順位の相続人が複数いる場合は均等に分割

第3順位(兄弟姉妹、甥姪)の法定相続人の法定相続分

血族相続人のうち第3順位は被相続人の兄弟姉妹になります。

兄弟姉妹が、被相続人の死亡時点で亡くなっている場合には、死亡した兄弟姉妹の子(甥姪)が第3順位の相続人となります(代襲相続人)。

ただし、代襲相続は甥姪までの範囲となり、甥姪が死亡している場合には、甥の子、姪の子には再代襲しません。

第3順位の相続人の法定相続分は以下の表の通りです。

相続人 第3順位相続人の法定相続分
第3順位の法定相続人のみの場合 すべて
配偶者と第3順位の法定相続人がいる場合 遺産の1/4

※第3順位の相続人が複数いる場合は均等に分割

相続人全員の合意により自由に相続分を決めることができます

法定相続分は、遺産分割協議の際に、遺産の分配方法の基準となるものですが、すべての場合に、法定相続分通りに遺産を分配しなければならないわけではありません。

遺産分割協議では、相続人全員の合意があれば自由な割合で遺産の分け方を決めることができます。

また、被相続人に遺言書がある場合でも、基本的には遺言に沿った遺産相続が行われますが、相続人全員の合意があれば遺言書の指定に拘束されずに、自由な割合で遺産の分け方を決めることができます。

 

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